内科
糖尿病
糖尿病は怖い!
糖尿病の中には、
◎1型糖尿病
◎2型糖尿病
と二つのタイプに分かれていることは広く知られています。
その中で、生活習慣病が2型糖尿病です。
この2型糖尿病を詳しく解説いたします。
糖尿病は、簡単に言えば、インスリンの量が減ったり、働きが悪くなったりして、血糖値が高くなる病気です。インスリンは、身体に取り込まれた糖分を必要な場所に運ぶ役目を担っています。
糖尿病の診断には、血糖値とともに「HbA1c」の測定が重要です。
赤血球の中に存在するヘモグロビンにどれだけの血液中のブドウ糖が結合するか?という値です。糖が結合したヘモグロビンを糖化ヘモグロビンと呼びます。血液中のブドウ糖が多ければ多いほど糖化ヘモグロビンの割合が高くなります。この割合が「HbA1c」です。
一度ブドウ糖がヘモグロビンに結合しますと、赤血球の寿命が尽きるまではくっついたままです。
普段の血糖値がその直前の食事や運動の量によって変化するのに対し、HbA1cは1-2カ月間変化しません。このため、1-2カ月間の平均の血糖値を反映していると考えられ、糖尿病の一番の指標になります。
さて、普段の血糖値が高い上にHbA1cが高ければ、糖尿病ということになります。
なぜ糖尿病をコントロールしなければいけないか?と言いますと、糖尿病は、放置しておけば、様々な合併症を来すからです。
糖尿病の三大合併症と言われているのが、
○神経障害
○網膜症
○腎症
です。
糖尿病により身体の細い血管が障害され、細い血管が集中している場所がやられてしまうのです。
糖尿病性網膜症は、日本人の失明の原因の第二位です。
糖尿病性腎症は、日本人の透析導入の原因の第一位です。
すなわち、糖尿病を放置しますと、失明や透析に至る可能性が高くなるのです。
また、糖尿病性神経症は、例えば足にケガをしても気づかず、また糖尿病により血流も悪くなり、足を切断することも多い病気です。
糖尿病は、こんなに怖い病気を引き起こすのです。
しかし、糖尿病が血管の障害を引き起こすのは、細い血管ばかりではありません。
比較的太い血管の動脈硬化を来し、脳梗塞・心筋梗塞などの命にかかわる病気を引き起こします。
検診などで、糖尿病の予備軍の段階で見つけ、糖尿病に移行させないことが大切です。
糖尿病予備軍とは、境界型糖尿病とも呼ばれ、じつは厳密な定義がありますが、簡単に言いますと、「放置しておけば、本当の糖尿病になってしまいますよ!」ということ、もしくはその方々のことです。空腹時血糖値が110mg/dLを超えていた場合や、食後の血糖値が140mg/dLを超えますと、糖尿病予備軍の可能性があります。
この段階で、食事・運動療法を徹底することにより、糖尿病に移行させないことが大切です。
いったん糖尿病になってしまいますと、それからどんなに頑張っても、全く元の状態に戻ることは難しく、普段はコントロール良好でも、他の病気にかかり調子が悪くなった場合や、大けがや手術などの際に、血糖値が高くなり、糖尿病をぶり返すことが多いです。
全身の抵抗力が衰え、傷が治りにくかったり、感染症にかかりやすかったり、いったんかかりますと、治りにくかったりします。
新型コロナウイルスに感染した場合、糖尿病の有無、糖尿病がうまくコントロールできているかどうか?が生死を分ける場合もあるかもしれません。
糖尿病に関しましては、薬の種類が非常に多く、またどんどん進化していっています。
ご相談ください。