新型コロナ対策のためのマスク着用に対する提言~その3~

先日患者さんとお話していて、気づいたことがあります。マスクを着用する意味に対する誤解です。

このコロナ禍で、まだまだ暑い中マスクをする最も大切な意味は、「コロナウイルスを他人に移さない」ということです。

「自分がかからない」ではなく「他人に移さない」ということなのです。

このことを理解していないので、若年者にマスクをしない人が多いのでしょうね。

マスクをすることで、自身が感染予防できる効果は、もちろん、無い訳ではありません。

一番の効果は、自分の手を口や鼻に安易に持って行けない、ということです。無意識に鼻を触ったり口元に手を持って行くことは、誰でもやることです。しかし、その手にはコロナウイルスが付着しているかもしれません。新型コロナウイルスが、ドアノブや手すりに付着した場合、何日生きられるかは明らかになっていないようですが、他のコロナウイルスでは1週間以上生き続けられるものもおり、新型コロナウイルスもそれに準ずる可能性があります。そのために、手洗いやアルコール消毒が重要なのですが、手洗いする前に鼻や口を触ってしまいますと、感染する可能性があります。それをマスクはある程度防いでくれます。

もう一つの効果は、顔に他人からの飛沫がかかるのを防ぐ、ということです。飛沫というものは意外に遠くまで飛びます。そのためにソーシャルディスタンスが求められるのですが、マスクをせずに咳やくしゃみをすれば2メートル以上飛ぶ可能性もあります。その飛沫が顔にかかるのをマスクはある程度防いでくれます。

以上がマスクをすることの自分自身に対するメリットですが、限定的と言わざるを得ません。

ただし、最新の研究では、マスクを装着した場合のコロナ感染は、マスクを装着していない場合の感染より、ウイルスの侵入数が少なく重症度が低い、という報告があります。マスク着用により、コロナ感染を完全に防ぐことは不可能ですが、重症化が防げる可能性がある、ということですね。

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